はじめに
現代の生活では、自分で運動の機会をつくらないと、健康的な生活を送ることができません。この記事では、有酸素運動がどのようにして私たちの脳に良い影響を与えるのかを解説していきます。さらに、運動不足による問題や適切な運動方法についても紹介していきます。
有酸素運動と脳の関係
有酸素運動は、脳にとって非常に重要なものであり、記憶力や集中力を高める効果があると言われています。この章では、有酸素運動が脳に与える影響について詳しく見ていきましょう。
脳細胞の増加
フィンランドのユヴァスキュラ大学の研究によれば、ランニングなどの有酸素運動を行うことで、脳細胞が増える可能性があるとされています。特に、海馬の神経細胞は学習やストレスへの反応に重要な役割を果たしています。このため、有酸素運動を行うことで認知能力が向上すると言われています。
一方、無酸素運動である高強度短時間のトレーニングは、脳の神経新生にはあまり影響を与えないことが研究で示されています。つまり、脳のためには有酸素運動が適していると言えます。
海馬と前頭葉の鍛錬
有酸素運動によって特に鍛えられるのは、海馬と前頭葉です。海馬は記憶力を、前頭葉は集中力や計画力、発想力、判断力、思考力、感情を司っています。これらの部分を鍛えることによって、全体的な脳のパフォーマンスが向上します。
実際に、ランニングを行うことで脳機能全体が高まることが報告されており、クリエイティブな人や高収入者ほど体を激しく動かす運動に取り組む傾向があることも分かっています。
運動不足がもたらす問題
運動不足がもたらす問題は、体力の低下や生活習慣病のリスクもそろっていますが、ここでは主に脳への影響に焦点を当てて説明します。
脳の働きの低下
運動不足は、脳への刺激が減少し、使わない部分が萎縮してしまうことにつながります。そのため、運動を意識的に取り入れることが重要です。普通に生活していては体も脳も衰えてしまうため、適切な運動が必要です。
また、コロナ禍による在宅勤務やテレワークの影響で、運動不足がより深刻化していると言われています。運動を意識的に取り入れることで、脳の働きを維持し、パフォーマンスを向上させることができます。
座りっぱなしの危険性
運動不足による問題の一つが、座りっぱなしの状態です。座りっぱなしの状態が続くと、寿命が短くなるという研究結果も出ています。1時間に1回は立ち上がり、適度な運動を取り入れることが推奨されています。
朝の散歩が脳によい影響を与えることが分かっており、起床してから1時間以内の日が出ている時間に20分程度の散歩をやや早足で行うことが効果的です。音楽などは聴かず、歩くリズムに集中することも大切です。
適切な運動方法
運動方法にもいろいろなものがありますが、脳に良い影響を与える運動を選びましょう。ここでは、特にお勧めの運動方法について紹介し、脳にどのような影響を与えるか説明していきます。
朝散歩の効果とコツ
朝散歩は、脳に良い物質を大量に分泌させる効果があるとされています。運動によって、脳からBDNFという物質が分泌され、脳のネットワークが広がり、頭が良くなることが証明されています。朝散歩を行うことで、仕事や勉強のパフォーマンスを上げることができます。
朝散歩を行う際のコツとしては、起床してから1時間以内の日が出ている時間帯に、20分程度やや早足で行うことが推奨されています。また、過度な紫外線対策をせず、地上を歩くことが大切です。音楽は聴かず、歩くリズムに集中しましょう。
ランチタイムの過ごし方
ランチタイムの過ごし方も、脳に良い影響を与えることができます。デスクで食事をしてスマホを見るのではなく、外食をするか、天気が良ければお弁当を持って公園で食べましょう。公園まで5分程度歩くだけでも、脳がリフレッシュされることが分かっています。
また、運動によって分泌される脳内物質ドーパミンやセロトニンは、幸福感を高め、モチベーションを上げる効果があります。適度な運動が習慣化されれば、脳が働きやすい状態になります。
適度な運動の大切さ
過度な運動は、逆に老化を早めるという研究結果も報告されています。そのため、適度な運動が脳や身体に良い影響を与えます。適度な運動の大切さについて解説していきます。
老化防止とストレス解消
適度な運動は、老化防止につながります。過度な運動は逆に老化を早めると言われていますが、適度な運動はストレス解消や感情の安定にも効果があります。ストイックにマラソンやジム通いをするよりも、適度な運動が重要です。
適度な運動は、生活習慣病の予防や自律神経の整える効果もあります。これにより、身体的な健康も向上し、老化を防止することができます。
運動習慣の継続性
過度な運動は中毒性があり、続けていくことが困難になることがあります。適度な運動の方が継続性が高く、長期的に脳や体に良い影響を与えることができます。最近の研究により、短時間でも適度な運動は効果があることが分かっています。自分が楽しめる運動を選ぶことが大切です。
幸福ホルモンであるドーパミンやセロトニンの分泌を促す適度な運動は、やる気や集中力をアップさせる効果があります。運動習慣を続けることで、脳の働きが向上し、日々の生活にも良い影響が与えられます。
まとめ
有酸素運動は、脳機能全体を高めるだけでなく、日常生活においても多くの効果が得られます。運動不足や座りっぱなしの状態は脳にも悪影響を及ぼすため、適切な運動を習慣化しましょう。そして、適度な運動の継続性を意識して、脳の働きを向上させる効果を実感していきましょう。