はじめに
筋力トレーニングは健康増進と体力向上のために大切な運動です。しかし、単に筋トレをするだけでは効果は限られます。自分の進捗を記録し、目標を設定することが、筋トレの成果を最大化する秘訣なのです。本記事では、筋トレにおける記録の重要性と、記録の取り方について詳しく解説します。
筋トレ記録の意義
筋トレの記録を付けることには、大きな意味があります。まず、自分の成長過程を客観的に確認できるようになります。また、継続するモチベーションの維持にもつながります。
成長の実感
筋トレは地道な努力の積み重ねが大切です。少しずつ重量を増やしたり、回数を伸ばしたりと、着実に強くなっていきます。しかし、日々の小さな変化は自分ではなかなか実感しづらいものです。ノートに記録を付けておけば、過去の自分と比較することができます。「前は30kgしか上げられなかったのに、今は50kgも上げられるようになった」といった具合に、自分の成長を確かめられるのです。
筋肉は目に見えづらい部位ですが、記録を見れば明らかに変化していることがわかります。こうした自分の成長の実感が、筋トレへの意欲を後押ししてくれるはずです。
目標設定の指針
筋トレではゴールを設定し、それに向けて計画的に取り組むことが重要です。その際、過去の記録を見直すことで、リアルな目標設定が可能となります。例えば「1年前はここまでしかできなかった。では半年後には〇〇を目指そう」といった具合です。適切な目標設定ができれば、モチベーションの維持やトレーニングの質の向上にもつながります。
トレーナーとの情報共有
パーソナルトレーナーに指導を仰ぐ場合、筋トレの記録は大変役立ちます。これまでのトレーニング内容を詳細に伝えられるため、よりきめ細かい指導が受けられるのです。記録を残さずに「だいたいこんな感じ」と漠然と話すのでは、効果的なアドバイスは得られません。記録を基に具体的に話し合えば、的確な助言が期待できます。
トレーナーを雇わずに自身で筋トレを行う場合も、過去の記録を参考にすることで、安全でより効果的なメニューを組み立てることができるでしょう。
効率的な記録の取り方
筋トレの記録を付けるには、工夫が必要です。記録の取り方によっては手間がかかり過ぎたり、逆に不十分になったりする可能性があります。ここでは、効率的な記録の仕方について解説します。
記録する項目
筋トレの記録として最低限必要なのは、以下の3点です。
- 日付
- トレーニングメニュー(種目名と負荷重量、回数など)
- 体重や体脂肪率など、体のコンディションに関するデータ
これらの基本項目に加えて、以下のようなオプション項目を記録しておくと良いでしょう。
- トレーニング時間
- 休憩時間
- 消費カロリー
- その日の体調や気分
- トレーナーからの指摘事項
- 次回のトレーニングに向けた課題
多くの項目を記録すればするほど、後から振り返る際に詳細がわかりますが、負担も大きくなります。ある程度自分なりの基準を設け、無理のない範囲で記録することをおすすめします。
記録ツールの選択
筋トレの記録は手書きのノートとデジタルツール(アプリやExcelなど)のどちらを使うかで、メリット・デメリットがあります。それぞれの特徴をよく理解して、自分に合ったツールを選びましょう。
メリット | デメリット | |
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手書きノート |
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デジタルツール |
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個人的には手書きノートとデジタルツールの併用がおすすめです。トレーニング中は手書きノートで手軽に記録を取り、後からデジタルツールに転記・集計する、といった使い分けが効率的でしょう。
ノート選びのポイント
手書きノートを使う場合、以下の点に気を付けて選ぶと便利です。
- サイズ: A6判から文庫本サイズ程度が持ち運びに適している
- ノート種類: 日付と記入欄があらかじめ印刷されているタイプが使いやすい
- 表紙: ビニールカバー付きで汚れにくい
- ページ設計: ページの下部分に切り欠きがあると開きやすい
ページの罫線は無地、横罫、方眼のどれでも構いません。好みや使い勝手で選んでください。
記録の有効活用
ただ記録を付けるだけでは意味がありません。いかに記録を活用し、筋トレに生かすかが重要です。記録を見直し、分析・評価することで、より効果的なトレーニングプランを立てることができます。
記録の振り返り
一定期間、例えば1か月や3か月ごとに、記録を見直すようにしましょう。その際、以下のようなポイントを確認すると良いでしょう。
- 重量や回数はどのくらい伸びたか
- 体重や体脂肪率はどう変化したか
- ケガや怪我はなかったか
- モチベーションの高かった時期と低かった時期
このように振り返ることで、自分の現状と課題が浮かび上がってきます。それを踏まえて、次のトレーニングサイクルに向けた目標設定や計画立案ができるようになるのです。
フォームの確認
筋トレのフォームを正しく身に付けることは、ケガ予防とパフォーマンス向上のために重要です。ただし、鏡を見ながら自分でフォームをチェックするのは難しいものです。そこで記録を活用することで、次のようなフォームチェックが可能になります。
- 動作の一部始終をビデオに録画し、後から見直す
- 翌日以降の筋肉痛から、無理のある動作を特定する
- 記録したトレーナーからの指摘を復習する
こうしたフォームチェックを続けることで、自分に合ったフォームを少しずつ身に付けていくことができるでしょう。
ルーティン化への活用
筋トレを習慣化するためには、一定のルーティンを作ることが大切です。記録を活用することで、ルーティンづくりが容易になります。例えば以下のようなアプローチが考えられます。
- 過去の記録から、一週間や一か月のサイクルを見つけ出し、そのサイクルに合わせてトレーニングする
- トレーニングとは別に、睡眠時間や食事内容、リカバリーの記録を付ける
- 良い記録が続いた時期のルーティンを分析し、それを再現する
このように記録を分析・活用することで、自分に最適なルーティンを組み立てやすくなるはずです。
まとめ
筋トレを続けるには記録を付けることが不可欠です。記録があれば、自分の成長を確認でき、目標設定の指針にもなります。また、トレーナーとの情報共有や、フォームチェックにも役立ちます。重要なのは、記録を活用することです。過去の記録から自分のパターンを見つけ出し、分析と評価を繰り返すことで、よりパフォーマンスの高いトレーニングプランが立てられるようになるのです。
記録の取り方として、手書きノートとデジタルツールを併用するのがおすすめです。トレーニング中は手書きノートで手軽に記録を取り、後からデジタルツールにデータを移して集計や管理を行うのが効率的です。記録する項目は個人によって異なりますが、必須項目に加えて気付いた点やアドバイスなども付け加えるのがよいでしょう。
筋トレに限らず、どんなことにも地道な努力を続けることが成功への道すじです。筋トレの記録はその過程を残し、モチベーションの源泉となってくれる大切な存在なのです。是非みなさんも、筋トレの記録を付けてみてください。