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外貨預金の次はFX?メリット・リスクを徹底解説【2023年最新版】

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はじめに

近年、外貨預金の代替手段としてFX(外国為替証拠金取引)が注目を集めています。FXは外貨預金に比べて多くの利点がありますが、リスクも高いため、慎重な対応が求められます。本記事では、外貨預金との違いを理解し、FXの特徴と有効な活用方法について詳しく解説します。

FXと外貨預金の違い

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FXと外貨預金は、投資対象が外国通貨という点では共通していますが、仕組みや特徴が大きく異なります。ここでは主な違いについて確認していきましょう。

レバレッジの有無

FXでは「レバレッジ」と呼ばれる仕組みを利用することができます。これは、実際に用意した資金よりも大きな金額で取引を行うことができる手法です。例えば、5万円の証拠金で100万円分の取引ができるなど、資金を何倍にも膨らませて運用することが可能です。

レバレッジの活用により、少額の資金から大きな利益を狙えるというメリットがありますが、その反面、損失も大きくなるというリスクが伴います。一方の外貨預金にはレバレッジの概念がないため、預け入れた元本以上の損失は発生しません。

税制の違い

FXの利益は「雑所得」に区分され、確定申告が必要です。一方、外貨預金の利息は「源泉分離課税」の対象となるため、確定申告は不要です。また、FXと外貨預金の損益は通算できないという点にも留意が必要です。

FX 外貨預金
課税対象 雑所得(確定申告) 源泉分離課税(確定申告不要)
損益通算 可能 不可

取引時間と決済の柔軟性

FXは24時間取引が可能で、いつでも売買が行えます。また、ポジションの決済も即時に行うことができます。一方の外貨預金は、銀行の営業時間内でしか取引ができず、満期時または中途解約時にしか円転することができません。

FXの利点

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FXには外貨預金にはない様々な利点があります。ここではFXの主な魅力について解説します。

低コストで運用可能

FXでは外貨預金に比べて低コストで運用することができます。外貨預金には為替手数料がかかりますが、FXの多くは手数料無料です。また、スプレッド(売値と買値の差)も外貨預金に比べて狭く設定されています。

さらに、FXには様々な無料ツールが用意されていることも大きな利点です。チャート分析ツールや自動売買の設定など、効率的な運用を支援する環境が整備されています。

スワップポイントの受取り

FXではスワップポイントと呼ばれる金利収入を毎日受け取ることができます。これは、外貨預金の金利に相当するものです。外貨預金の金利は、一般に低金利である上に、満期時や解約時に一括して支払われるのに対し、FXのスワップポイントは毎日の積み重ねで複利効果が期待できるため、長期運用には大きな利点となります。

ドルコスト平均法の活用

FXには「積立FX」という、少額から積み立てていく投資手法があります。これは外貨預金の外貨積立預金に相当するものですが、外貨預金よりも手数料が安く、ドルコスト平均法の効果を享受しやすいのが特徴です。

ドルコスト平均法とは、一定額を定期的に同じ銘柄に投資する手法です。この投資方法を採用することで、値動きのタイミングリスクを低減することができるため、分散投資としても有効な手段となります。

FXのリスクと注意点

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FXにはメリットがある一方で、外貨預金以上のリスクも存在します。安全に運用するためには、FXのリスクを理解し、適切なリスク管理を行う必要があります。

レバレッジリスク

FXにおけるレバレッジの活用は、二つの側面を持っています。一方では、小さな資金から大きな利益を狙えるチャンスがあります。しかし、レバレッジが高いほど、少しの相場変動で大きな損失を被るリスクも高まります。

レバレッジの設定は、自身のリスク許容度に応じて行う必要があります。例えば、FXの積立サービス「らくつむ」では、リスクの低いレバレッジ1倍での運用が可能です。リスクを抑えたい初心者の方は、まずはレバレッジを低く抑えることをおすすめします。

スワップポイントの支払いリスク

FXでは、スワップポイントを受け取る代わりに支払うこともあります。例えば、金利の低い通貨ペアの買いポジションを持っている場合です。このように金利が低い通貨を買っている場合は、毎日スワップポイントの支払いが発生するため、損失が生じる可能性があります。

通貨ペアの選択と、金利の動向を注視しながら運用することが重要です。金利の高い通貨ペアを選んだり、必要に応じてポジションを切り替えたりと、臨機応変な対応が求められます。

相場急変時の流動性リスク

相場が急変した場合、売買環境が悪化し、スプレッドが広がったり、レートの提示が困難になる可能性があります。そのため、思った価格でポジションを決済できない事態に陥る恐れがあります。

このように予期せぬ相場の変動に備えて、損切りルールの設定や証拠金の厚めの準備が重要です。また、ハイリスク高レバレッジの取引は控え、リスクコントロールを心がける必要があります。

FXの賢い活用法

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FXは外貨預金と比較して多くの利点がありますが、リスクもあるため、賢い活用が求められます。ここでは、FXを有効に活用するための方法をご紹介します。

資金と目的に合わせる

FXの運用方法は、投資可能な資金と投資目的に合わせて決めることが重要です。少額からスタートしたい場合は、FXの積立サービスがおすすめです。一方、積極的に利益を狙いたい場合は、レバレッジを活用したFX取引がより適しています。

また、外貨預金との併用も有効な手段です。長期で安定運用を狙うなら外貨預金を、積極運用を狙うならFXをメインに組み合わせるなど、ポートフォリオを組むことで、リスクとリターンのバランスを取ることができます。

スワップ金利の高い通貨に着目

FXで利益を上げるには、スワップポイントの受け取りが重要なポイントとなります。そのため、スワップ金利の高い通貨ペアを選ぶことが有効な方法です。

例えば、トルコリラ/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円などの金利の高い新興国通貨は、スワップポイントが潤沢に入ってくるため、有望な選択肢と言えます。ただし、これらの通貨はボラティリティも高いため、リスク管理が欠かせません。

様々な注文方法を活用する

FXには、一括で注文を出す「成行注文」だけでなく、指値注文や逆指値注文など、様々な注文方法が用意されています。これらの注文方法を上手く使いこなすことで、より効率的な売買が可能になります。

  • 指値注文: 設定したレートになった時に売買する注文
  • 逆指値注文: 設定したレートを超えたらすぐに売買する注文
  • IFD注文: 一つの注文が約定したら、別の条件で注文を出す注文

このように、FXには多様な注文手段が用意されており、投資家のニーズに合わせて活用できます。利用方法を理解し、うまく組み合わせることで、好機を逃さず、リスクも抑えられます。

まとめ

本記事では、FXと外貨預金の違いや、FXの特徴、リスク、有効な活用法について解説してきました。FXは外貨預金に比べて低コストで資金を運用でき、レバレッジも活用できるメリットがある一方、リスクも高いことがわかりました。

FXを上手く活用するには、自身の投資目標やリスク許容度を踏まえた上で、スワップポイントの高い通貨を選択したり、注文方法を工夫したりと、戦略的な運用が重要です。投資を始める前に、しっかりと勉強を重ねることをおすすめします。

外貨投資には外貨預金とFXの両方のメリットを組み合わせることで、効率的で安定的な資産運用が可能となります。目的に合わせて最適な選択をすることが賢明な投資につながるでしょう。

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