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「オルカン」で世界分散投資!NISAで最強の人気投資信託をわかりやすく解説

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はじめに

NISAは国民の資産形成を支援する制度として導入され、個人投資家の投資活動を後押ししています。近年では、つみたてNISAが定着し、長期的な分散投資の有効性が広く認識されるようになりました。その中でも、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」通称「オルカン」は、投資信託ブロガーから高く評価されているインデックスファンドです。本記事では、オルカンの特徴やメリット、長所と短所などを解説していきます。

オルカンとは

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オルカンは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称です。このインデックスファンドの特徴は、世界中の株式に分散投資できる点にあります。

世界の株式に分散投資

オルカンは、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)に連動する運用を行っています。このインデックスには、先進国や新興国を含む世界約47カ国の株式が組み入れられており、オルカンはこれらの銘柄に分散投資を行います。つまり、1本のファンドでグローバルな投資が可能なのです。

世界経済の成長に機会を得られるため、オルカンは長期的な資産形成に適した投資信託と言えます。地域や国に集中することなく、世界中の優良銘柄に投資できるのがメリットの1つです。

低コストが魅力

オルカンの大きな魅力は、運用コストが非常に安いことです。信託報酬率は業界最低水準の年率0.05775%と極めて低コストで運用されています。購入時の手数料や売却時の手数料もかかりません。長期投資において、低コストは非常に重要なポイントとなります。

さらに、オルカンは「受益者還元型信託報酬」のシステムを採用しているため、純資産総額が増えるほど実質的な信託報酬率が下がっていく仕組みになっています。長期投資を行うほど、お得な運用が可能となるのです。

MSCI ACWIインデックスとは

オルカンが連動するMSCI ACWIインデックスは、世界の株式時価総額の約85%をカバーする、代表的な世界株式インデックスです。構成銘柄は時価総額に応じて定期的に見直されるため、常に世界の株式市場の動向を反映した組み入れ内容となっています。

以下の表は、2023年11月末時点でのMSCI ACWIの地域別構成比率です。

| 地域 | 構成比率 |
|——|———-|
| 北米 | 62.9% |
| 欧州 | 15.6% |
| 日本 | 5.5% |
| 新興国| 10.4% |
| その他| 5.6% |

オルカンのメリット

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オルカンには様々なメリットがありますが、ここでは主なメリットを3つご紹介します。

世界分散投資が1本でできる

オルカンの最大の魅力は、1本のファンドで世界中の株式に分散投資できる点にあります。投資対象が日本を含む先進国と新興国の47カ国にも及びます。単一の国や地域に投資を集中させずに、世界規模で分散投資できるのは大きなメリットです。

また、時価総額に応じて構成銘柄が定期的に入れ替わるため、世界経済の成長に常に連動した投資が可能です。成長が見込める企業へ投資できるチャンスを逃しません。

低コストで長期運用に適している

オルカンの信託報酬率は業界最低水準の0.05775%と非常に低コストです。購入時や売却時の手数料もかかりません。長期運用においては、運用コストが大きな影響を及ぼすため、低コストはメリットの1つと言えます。

さらに、純資産総額が増えるほど実質的な信託報酬率が下がる仕組み「受益者還元型信託報酬」が採用されています。長期運用するほど、お得に投資できるようになっています。

大型ファンドのため分散投資がしやすい

オルカンの純資産総額は2023年5月時点で約3.1兆円と非常に大規模です。大型ファンドであるため、より細かい分散投資が可能です。そのため、投資リスクの分散にも適したファンドです。

また、大型ファンドは情報収集もしやすく、運用実績や評価も確認しやすいというメリットもあります。インデックスファンドに投資する際に重要な要素と言えるでしょう。

オルカンのデメリット

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オルカンのメリットをご紹介しましたが、デメリットもいくつかあります。

為替リスクがある

オルカンは為替ヘッジを行っていないインデックスファンドのため、為替変動の影響を受けやすいのがデメリットの1つです。円高が進行した場合、外貨建て資産の値下がりにつながる可能性があります。

一方で、円安が進めば外貨建て資産の値上がりにつながりますが、為替変動リスクは避けられません。長期的に為替リスクは相殺されると考えられていますが、短期的には大きな影響を受ける可能性があります。

先進国・米国株式への比率が高い

MSCI ACWIインデックスの構成は、先進国株式が約84%と比率が高くなっています。また、そのうち米国株式への投資比率が約63%と、高くなっている点も特徴です。これにより、先進国・米国株式への投資比率が高くなるデメリットがあります。

新興国株式への投資比率が約10%と低めなのは、リスクを抑える狙いがあります。しかし、新興国の経済成長の果実を享受しづらくなるデメリットもあると言えるでしょう。

株式のみの投資対象

オルカンの投資対象は株式のみです。債券や不動産など、他の資産への投資はありません。したがって、株式市況の影響を大きく受ける可能性があります。

つみたてNISAなどでは複数のファンドを組み合わせて分散投資することが推奨されています。オルカン1本に集中するのではなく、債券やREIT等の資産とも組み合わせるのがリスク分散の観点から望ましいでしょう。

オルカン投資は誰におすすめか

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オルカンは、以下のような投資家におすすめのファンドです。

長期投資を志向する人

オルカンは、長期投資に適したファンドです。長期的に世界経済の成長の恩恵を受けられるため、20年、30年といった期間の資産形成に向いています。積立投資を行いながら長期運用することで、複利の効果も期待できます。

長期投資においては運用コストが重要ですが、オルカンの信託報酬は業界最低水準となっています。長期運用するほど、お得になる「受益者還元型信託報酬」の仕組みも魅力です。

分散投資を重視する人

オルカンは1本で世界中の株式への分散投資が可能なファンドです。投資対象が日本を含む新興国・先進国の47カ国にも及びます。単一の国や地域に集中させずに、グローバルに分散投資できるのが特徴です。

分散投資を重視する投資家に適しているファンドと言えます。ただし、投資対象が株式のみであることには留意が必要です。債券などの資産との組み合わせも検討しましょう。

投資先に迷っている人

投資先に悩んでいる人にとっても、オルカンは選択肢の1つとなり得ます。オールセット型の投資信託なので、投資対象を判断する必要がありません。マーケットの値動きに連動するだけで、世界中の投資チャンスを逃さずに済みます。

金融リテラシーが低い初心者の投資家にとっては、単純明快なオルカンが適していると思われます。ただし、投資判断は十分な知識が必要になるため、学習を継続する必要があります。

まとめ

以上、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」通称オルカンの特徴やメリット、デメリットについて解説しました。オルカンは、世界中の株式に分散投資できる投資信託で、低コストが魅力的な投資先となっています。

長期投資を志向する人、分散投資を重視する人、投資先に迷っている人などに向いているファンドです。ただし、為替リスクや株式のみの投資対象、先進国株式への投資比率が高いことなどのデメリットもあります。投資においては、リスクとリターンをよく検討する必要があります。

オルカン投資を検討する際は、自身の投資目的やリスク許容度をしっかり把握し、他の投資商品との組み合わせも考えながら、投資プランを立てることが重要です。長期運用により、世界経済の成長の恩恵を受けられる可能性がある魅力的なファンドと言えるでしょう。

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